ブラジルで永住権(居住許可)を取得する方法

2019年4月11日

ブラジル人と婚姻した後には、ブラジルに住み続けるための居住許可を受けなければなりません。

永住ビザと言う人もいますが、2017年に移民法が改正され、永住ビザというものはブラジルには存在しなくなったそうです。

じゃあブラジルに住むことは出来ないの!?というと、もちろんそんなことはありません。

ビザではなく「居住許可」を申請することで、ブラジルに住むことができます。

居住許可と永住ビザと何が違うの?というと、はっきり言ってよく分かりません。

法律が変わったばかりだからかインターネットで調べても最新の情報は出てこないし、何が正しいのか全く分かりません。

色々な情報があふれていますが、私が居住許可を申請するために行った手続きについてまとめました。

これは観光ビザで入国し、ブラジル人と婚姻後に居住許可を申請する方法なので、別のビザから申請する場合や、別の理由で居住許可を申請する場合は書類が異なると思うので注意してください。

ちなみに私は2018年の1月にブラジルに渡航、5月にブラジル人と婚姻し、5月30日に居住許可(永住権)を取得しました。

RNE(外国人登録証)

Registro Nacional de Estrangeiros(RNE)は外国人登録証という意味で、これはブラジルに滞在する外国人のための身分証明書です。

ブラジルに90日以上滞在する場合は、入国して30日以内に登録しなければならないことになっています。

私はブラジル入国時は90日滞在可能な観光ビザで入国したので、外国人登録はしていませんでした。

そして、観光ビザを延長した際に、登録しておいた方がいいのかもしれないと思い、手続きをすることにしました。

登録の申請は連邦警察でできるのですが、インターネットで申請する日時を予約していかなければなりません。

しかし、本来は入国後1ヶ月以内に登録しなければいけないRNEなのに、予約できるのは1ヶ月以上先の日だけでした。

さすがブラジルだな…と思いながら、予約当日、連邦警察に行くと、

これはブラジルに住むためのものだから、結婚した後じゃないと申請できないよ!というようなことを言われました。

私はポルトガル語は分からなかったのでブラジル人の彼が英語で説明してくれたのですが、どうやら居住許可(永住権)申請すると、身分証明書としてRNEが取得できるということらしいのです。

でも30日以内にしなければならないってなってるのにどういうこと?と思って調べてみると、2017年に移民法が改訂され、永住ビザがなくなり居住許可になったこと、RNE(外国人登録)からCRNM(移住国内登録証、Carteira de Registro Nacional Migratório)に変更されることなどが記されていました。[ニッケイ新聞]

その変更に伴って、受付窓口が混乱しており登録が順番待ちになっているとも書かれていたので、一ヶ月先しか予約ができなかったのはそのせいだと思います。

外国人登録証(RNE)はブラジルに住む外国人の身分証明書で、滞在可能期間なども記載されるそうなので、延長したとしても観光ビザではどうやら発行できないようだということも分かりました。

そこで、私はまだブラジルでの婚姻が完了していなかったので、婚姻が完了してから居住許可+RNE(外国人登録証)を申請することになりました。

居住許可(永住権)申請

居住許可の申請方法はこちらで確認できます→Carteira de Registro Nacional Migratório

必要書類の一覧を連邦警察でもらいました。ネットにも掲載されている(Residência com base em reunião familiar)のですが間違いがあるそうで、この紙の方が正しいということでした。

画像クリックで拡大↑

申請できる場所は、リオデジャネイロでは国際空港第1ターミナルにある連邦警察署です。

これをもとに私は以下のものを準備しました。

【 必要書類 】

1、パスポート
2、3×4㎝の写真2枚
3、ブラジルの婚姻証明書
4、申請書
5、過去5年間に居住した国の犯罪経歴証明書→日本
6、どの国でも犯罪を犯したことがないという宣誓書
7、ブラジル人夫の身分証明書のコピー
8、ブラジル人夫のブラジルに居住しているという旨の宣誓書
9、住居証明として夫のクレジットカードの請求書
10、申請費用を支払いし、その領収書 168.13+204,77レアル

4、申請書はオンラインで入力したものを印刷します。→https://servicos.dpf.gov.br/sincreWeb/

5、過去5年間に住んだ国の犯罪経歴証明書と翻訳

私はブラジルに来る前に2年間オーストラリアに住んでいたので、日本のものとオーストラリアのものも必要ということになります。

日本の犯罪経歴証明書は在ブラジル日本領事館で申請できるのですが、申請してから届くまでに2ヶ月ほどかかります。もう少し早く届くだろうと思っていたのですが、実際に申請してから手元に届くまでに8週間かかりました。

これを待っていたために、居住許可の申請がビザの有効期限ぎりぎりになってしまったのです。

私はリオデジャネイロの領事館で申請して受け取ったのですが、その封筒には日本語と英語で、提出機関に提出する前に開封した場合は無効だと書かれていました。

しかし、犯罪経歴証明書にはポルトガル語の翻訳が必要となっています。開けずにどうやって翻訳するというのか?

領事館の職員に聞いてみると、「開けたらだめって書いてあるからだめだよ」と言われましたが、連邦警察の職員は「みんな開けてるよ!翻訳が必要だからね!」ととても軽いノリで言っていました。

ブラジルの職員もあまり信用できないのですが、翻訳が必要なことは確かなのでおそるおそる開けてみました。

犯罪経歴証明書にはアポスティーユもつけられており、英語の他、スペイン語などでも同じことが書かれていますが、ポルトガル語では書かれていませんでした。

そこで、いつもお世話になっている翻訳者に急いで翻訳をお願いしました。合計240レアル。大事な書類だから高いのは仕方ないだろうけど…。

ブラジルでの婚姻・移住手続きで一番お金がかかったのは翻訳です。いつか翻訳家になってやる…!

そしてもう一つ、オーストラリアの犯罪経歴証明書。これはオーストラリアに滞在中も2度、申請したことがありました。インターネットで申請して自宅に郵送してもらえるのですが、オーストラリアからブラジルの郵便がちゃんと届くのかとても不安なところ。

しかもそれだとアポスティーユはついていないから認められるのか?という疑問もありました。

申請が受理されてから海外への郵送は10~20日程度で届くということだったので何とか間に合うかなと思っていたのですが、申請されてから受理するまでに2週間もかかってしまいました。

以前申請した時は1,2日でできたのに…

結局申請に行く日までにオーストラリアの犯罪経歴証明書は届きませんでした。

パスポートの渡航歴を全部チェックされるのだろうか?でもオーストラリアは出入国スタンプはないし、ビザもパスポートには貼付されていないので気づかれずに済むかな?

でもブラジルのビザを申請したのはオーストラリアだから、それでバレてしまうか…?

そもそも「住んでいた」と「旅行で行った」の違いは何だろう?

私はフィジーにも1ヶ月語学留学をしていたので、それも住んでいたことになるのか…?

フィジーの犯罪経歴証明書なんて申請の仕方も分からないし、必要だと言われたら絶望的だ…。

ドキドキしながら申請に行きました。

結果を先に言うと、オーストラリアについて聞かれることもなく、犯罪経歴証明書は必要ありませんでした。

6、どの国でも犯罪を犯したことがないという宣誓書

「Declaração de não condenação penal」と言います。

これまでにブラジルでも他国でも、刑事告発や起訴を受けたり有罪判決を受けたことがないという宣誓書です。インタネットで書式をダウンロードできます。

ネットでフォームを見つけ、ポルトガル語で記入しました。

このサインは公証役場でサイン認証が必要です。サイン認証をするためにはサイン登録が必要で、サイン登録のためにはCPFが必要になります。

CPFのブラジル国内での取得方法

公証役場(Cartório)でサイン登録をする

8、ブラジル人夫のブラジルに居住しているという旨の宣誓書

ネットを参考にして、手書きで書いていました。

こちらもサインして、公証役場でサイン認証をしていました。

申請日予約

インターネットで申請日を予約できるのですが、私は前回一度予約をしてしまったため、再度オンラインで予約をすることができませんでした。

そこで、直接連邦警察へ行ってその旨を説明すると、後日メールで日時を連絡してくれました。

私の観光ビザが切れる5日前で、かなりぎりぎりです。

申請日当日

当日、受付に行くとトラック運転手による大規模ストライキのせいで、警察官がいないので受付ができないかもしれない、と言われたのです。

しかし私のビザはあと5日で切れてしまう。それを説明すると、書類を受け付けてもらえました。

そして待つこと1時間半ほど…

名前を呼ばれ、書類を返却されました。そこには必要な追加書類が書かれており、1週間後に再予約がされていました。

1週間後ってビザが切れちゃう!ビザが切れたら罰金を払わなくてはいけないし、居住許可申請に影響が出るかもしれない…どうしよう。

しかも罰金は最高1日100レアルだとか。

とりあえず足りない書類を集めることにしました。

【 追加書類】

1、パスポートのコピー
2、certidão de antecedentes da polícia federal(www.dpf.gov.br)…連邦警察の犯罪経歴証明書
3、certidão da justiça federal(www.jfrj.jus.br)…連邦裁判所の証明書
4、ceridão de antecedentes criminais da policia estadual(IFP)…国家警察(IFP)からの犯罪経歴証明書

 

ようするにブラジルでも犯罪者でないですよ、ということを証明しなければならないです。
そんなこと最初は言ってなかったのに。過去5年間に住んだすべての国の犯罪経歴証明書が必要ということで、ブラジルに5ヶ月滞在していた私はブラジルにも住んでいると判断されたようです。

やっぱりオーストラリアのものも必要だって言われるんじゃないだろうか…とても不安になりました。

連邦警察と裁判所の証明書はインターネットで情報を入力し、それを印刷するだけですぐに入手することができました。

問題は国家警察からの証明書。警察署に行くと婚姻証明書のコピーを提出するだけで簡単に受けつけてもらえましたが、発行までは1週間かかるとのこと。

やっぱりビザが切れちゃうー!

連邦警察に戻り、ビザが切ちゃうからその前になんとか申請したい!とごねてみると、それは警察官の判断になるからどうなるかは分からないけど、とりあえず明日また来てすべてを警察官に説明してみて、と言われました。

翌日、申請再チャレンジ

受付で、予約してないけど昨日こうでこうでこうなって…と説明すると、予約がなかったら本当は受け付けられないんだけど、と言われてしまいました。しかし、他の職員に今日来て説明するように言われたというと、座って待つようにと言われました。

しばらくすると、昨日対応してくれた職員が来て、今日対応してくれた職員と話をしていました。どうやらなんとかしてもらえることになったようなのですが…

1時間半待っても何も返答がありません。

そもそも書類も受け取ってもらっていないし、一体どうやって判断するのだろう?と思っていたのですが、夫はもうちょっと待ってみよう、というのです。

しかしとうとうしびれを切らしてどうなったか尋ねてみると、どうやら私のことを忘れていたらしいのです。

え…私たち無駄に2時間近くも待ってたの?何それ?

怒りを抑えつつ、書類を渡すと、15分ほどで名前を呼ばれ、警察官のもとに案内されました。そこで、ブラジルの国家警察の証明書は来週の月曜日にしか発行してもらえないけどあと4日でビザが切れてしまうということを説明すると、「分かりました。待合室で待ってて。」と言われました。

無くてもオッケーなのかやっぱりだめだったのか分からず10分ほど待っていると再び名前が呼ばれ、今度は指紋採取をされました。

指紋採取をするということは、書類はオッケーだったということではないか!?

親指の捺印と、他の全部の指の指紋を機械で採取されました。

それから待つこと20分。

90日後に身分証ができるので取りに来るようにと言われ、プロトコルと呼ばれる仮の身分証をもらうことができました!

その90日間の間に、警察官が自宅に偽装結婚ではないか確認しに来ることがあるそうです。

結局オーストラリアの犯罪経歴証明書もブラジルの国家警察の証明書もありませんでしたが、無事に居住許可(永住権)を取得することができました。

ブラジルに来てから5ヶ月。いろんな手続きがいっぱいでうまくいくか不安でしたが、やっと一安心できました。

☆追記☆

身分証明書ができあがると、メールでお知らせが届きます。私の場合5/30に申請してメールが届いたのは7/16だったので、50日もかからずに発行されました。その間に警察官などが自宅を訪問することはありませんでした。